集団予防接種が原因のB型肝炎を巡り、20年以上前に慢性肝炎を発症した後に再発した福岡県内の60代の男性2人が、国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が15日、福岡高裁であった。山之内紀行裁判長は、国に計2675万円の支払いを命じた一審・福岡地裁判決を取り消し、男性側の請求を棄却した。
B型肝炎訴訟では、2011年に国と原告側の基本合意が成立。肝がんや肝硬変など病状に応じ、国から給付金が一律に支給されることが決まった。慢性肝炎は、発症から提訴まで20年未満の場合は1250万円とする一方、損害賠償の請求権が消滅する20年(除斥期間)が経っている場合は150万~300万円にとどまっていた。福岡県の男性2人も国側から300万円を提示されていた。
一審判決などによると、2人はそれぞれ1987年、91年に最初の慢性肝炎を発症した。一時症状が治まったが、その後再発。08年と12年に提訴した。国側は最初の発症時を起算点と捉えて、提訴まで20年以上が経っていたと主張。男性側は再発時を起算点として、請求権は消えていないと訴えた。
一審判決は、再発した肝炎につ…