九州保健福祉大学(宮崎県延岡市)薬学部の元助教ら4人が雇い止めを受けた問題で、4人が大学を相手取り、地位保全や賃金支払いを求める訴訟を宮崎地裁延岡支部に起こした。代理人弁護士が17日、明らかにした。
訴状などによると、提訴したのは元助教の30~40代の男女3人と元助手の30代女性。4人は2017年12月から18年1月にかけ、大学側から「経営難による人員整理」「18年4月からは薬学部では助手と助教にも博士号を求める」と通告され、同年4月以降の契約は更新されなかった。
元助教らは、大学復帰や雇い止め後の賃金支払いのほか、研究者としてのキャリア設計を狂わされるなど精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めている。
雇い止めをめぐり、4人は賃金支払いと地位保全の仮処分を申し立て、延岡支部は2月、雇い止めは労働契約法に反し無効とする仮処分決定を出した。大学側は異議を申し立て、4人の職場復帰に応じなかった。
元助手の女性は男性教授からセクハラ被害を受けており、これまでの争いの中で「雇い止めはセクハラを告発したことに対する報復」と主張。延岡支部は仮処分決定で「セクハラ被害を申し立てた助手を排除する意図で(雇い止めが)行われた可能性も否定できない」と指摘した。
代理人弁護士は「仮処分決定を…