宮崎県高千穂町の住宅で、住人の農業飯干保生(いいほしやすお)さん(72)ら男女6人の遺体が見つかった殺人事件で、県警は29日、妻の実穂子さん(66)と次男の知人の松岡史晃さん(44)=同県五ケ瀬町=の死因はそれぞれ、血液の脳循環停止と失血死だったと発表した。司法解剖で判明したという。
これまでの捜査で、6人が殺害されたのは25日夜から26日朝までの間と断定。今後、数日かけて全員を司法解剖し、死亡推定時刻の絞り込みを進める。
捜査関係者によると、実穂子さんは自宅倉庫そばの屋外で体の一部が切断された状態で、松岡さんは母屋の仏間で発見された。2人とも頭部付近に刃物による激しい損傷があり、県警は寝室にあった血の付いたナタが凶器とみて鑑定している。
また、町内の橋から飛び降りて自殺したとみられる飯干さんの次男昌大(まさひろ)さん(42)の司法解剖も29日に実施した。県警は、昌大さんが6人の死亡に関わったとみて調べを進める。
捜査関係者によると、昌大さんは過去の女性関係をめぐって妻とトラブルがあり、知人の松岡さんは25日夜に仲裁のため呼び出されたという。(大山稜)