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電力自由化は誰のため? 大手に甘く再エネに厳しい日本

エネルギーを語ろう


2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故を契機に、日本の電気事業の抜本改革が求められ、電力の自由化が進められてきました。その流れは、国民にとってより良い方向へと向かっているのでしょうか。電力システム改革のあるべき姿とは何でしょうか。欧米の電力事業に詳しく、政府の自由化論議にも関わった都留文科大学の高橋洋教授に聞きました。


東日本大震災を契機に転換


インタビューに入る前に、日本の電力システム改革のこれまでの流れをおさらいしておきます。原発事故を受け、当時の民主党政権は12年に「電力システム改革専門委員会」を立ち上げました。高橋教授も委員として加わった議論の末、安倍政権誕生後の13年2月に電力自由化を進める報告書がまとまりました。


これに沿って、16年4月には電力の家庭向け小売りが自由化され、ガス会社など電力会社以外の業界からの新規参入が相次ぎました。17年4月には都市ガスの家庭向け販売も自由化されました。


20年には自由化の次の段階として、大手電力が送配電部門を子会社に切り離す「発送電分離」が始まります。送電網をほかの発電会社にも公平に使えるようにして参入を増やし、競争を促す狙いとされています。


欧州に比べ「2周遅れ」


――電力自由化の進展に対する評価は?


「日本では福島の事故前は新規…


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