神戸・三宮の繁華街で21日午後、横断歩道を渡る歩行者の列にバスが突っ込んだ。この事故で2人が死亡し、6人が負傷。現場で何が起きたのか――。
神戸市須磨区の会社員、松元弘州(ひろくに)さん(34)は信号が「青」に変わったのを確認して、西から東へ向かって横断歩道を渡り始めた。そのときだった。
目の前を行く人の波に、赤信号を無視する形で神戸市営バスが突っ込んできた。松元さんの目には、ゆっくりとした速度で進入してきたように見えたが、一瞬、何が起きているのか理解できなかったという。「4、5人が倒れ込んだように見えた。あと一歩で巻き込まれていたと思うと、本当に怖い」
兵庫県警によると、バスは神戸市北区の停留所から中心部の三宮方面へ向かう路線を運行。横断歩道の数メートル手前にある停留所で乗客を降ろした。停留所から目撃した神戸市灘区の男子高校生(17)は、「発車した後、30人ほどが歩いていた横断歩道に突っ込んだ」と証言した。バスはその後、片側4車線を右斜め方向に進み、中央分離帯に衝突。さらに数メートル進んで止まった。
現場近くの飲食店員の男性(40)は雷が落ちるような金属音を聞き、バスが前輪に自転車をはさみ引きずりながら向かってくるのを見た。「バスの後ろには数人が倒れたままだった。運転手がぼうぜんとした表情で降りてきた」と言う。
「バスにはねられて、先輩が血…