ゴールデンウィークに潮干狩りを楽しむ人も多い一方、今年もすでに貝毒による食中毒が発生しており、消費者庁は24日、潮干狩りに行く際は事前に都道府県の貝毒の情報を確認するよう注意を呼びかけた。
貝毒はアサリやシジミ、カキなどの二枚貝が有害プランクトンを食べて体内に毒を蓄積することで生じ、加熱しても毒は消えない。下痢性の貝毒は食後30分~4時間で発症し、下痢や腹痛、吐き気などの症状が出るほか、まひ性の貝毒は食後30分程度で顔面や手足がしびれ、重症の場合は呼吸困難で死に至るケースもある。
厚生労働省によると、貝毒の食中毒は昨年は9件発生、患者数は11人だった。今年3月中旬には、大阪府岬町の80代の男女2人が、港で採ったムール貝を自宅でゆでて食べたところ、手や口のしびれやめまいを起こし、まひ性貝毒の食中毒と診断された。食品安全委員会によると、海外では年間約1600人がまひ性の貝毒を発症し、約300人が死亡していると推定されているという。
消費者庁によると、特に無料の潮干狩り場は検査が行われていないこともあるため注意が必要という。大阪府や兵庫県、徳島県などの一部海域では規制値を超える貝毒が検出されているといい、担当者は「事前に貝毒の情報を都道府県のウェブサイトなどで確認し、食べて異変を感じたら必ず医療機関を受診して」と話している。(野村杏実)