菅義偉官房長官は25日の記者会見で、5月9日から12日の日程で訪米すると発表した。ペンス副大統領ら要人との会談を調整。新元号「令和」の発表で知名度が上がり、「ポスト安倍」に急浮上したとの見方もある中、自民党内には訪米は「次期首相を見すえた足場づくり」との指摘が出ている。
菅氏の官房長官としての外遊は、約6年半の在任期間で2015年10月の米領グアム訪問以来2度目。主に内政を担い、政権の「黒衣役」として危機管理などを担ってきた官房長官が外遊に出るのは異例だ。
菅氏は「拉致問題の早期解決に向けたすり合わせを行うとともに、沖縄の基地負担軽減に直結する米軍再編の着実な実施を確認してきたい」として、拉致問題担当、沖縄基地負担軽減担当としての訪米であることを強調。不在中の危機管理は「万全の態勢を確認したい」とした。
外交で世界を飛び回る安倍晋三首相に対し、菅氏は内政面で政権を切り盛りしてきた。閣僚ら政権が抱える不祥事で対応にあたったほか、政策面では外国人労働者の受け入れ拡大に向けた法改正、外国人観光客の誘致に向けたビザ緩和、携帯電話料金の引き下げなどを主導。「首相は俺に内政全部を任せてくれるんだ」と菅氏は周囲に話す。
一方で外交手腕は未知数だ。
米国のケネディ前駐日大使やハ…