米国防総省が2回目となる北朝鮮による飛翔(ひしょう)体の発射を「複数の弾道ミサイル」と断定した。弾道ミサイルであれば、通常のミサイルとはまるで事情が違ってくる。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議は北朝鮮に弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射も禁じており、今回の飛翔体発射が国連決議違反に該当することになるためだ。国際社会は何らかの対応を迫られる可能性も出てくる。
米側の2回目の飛翔体発射をめぐる反応は、1回目とは違って厳しいものだった。トランプ米大統領は「我々は極めて深刻に見ている。(ミサイル発射は)だれもハッピーではない」と不快感を示した。北朝鮮の話題となれば、正恩氏との個人的な関係が良好であることをつけ加えるのが常だが、こうした言葉を一切発することはなかった。
米側には、1回目の飛翔体発射後の対応をめぐる反省があったとみられる。もともと正恩氏の戦略について、ワシントンでは「米国のみならず、日韓両国の寛容さと忍耐力を試そうとしている」(ジュン・パク元CIA上席分析官)という見方が強かった。ゆえにトランプ氏を筆頭に、日米韓が抑制的な対応を示したことが皮肉にも次なる北朝鮮の挑発活動の「呼び水」になる、という懸念が米政府関係者には広がっていた。
ただ、米国防総省は弾道ミサイ…