北朝鮮外務省の報道官は8日、日本海に向けて4日に発射した飛翔(ひしょう)体について「誰かを狙ったものではない。正常な軍事訓練であり、地域情勢を激化させたこともない」との見解を示した。朝鮮中央通信が記者の質問への回答として報じた。
同通信によると、報道官は「一部勢力」が自衛目的で行った軍事訓練について「挑発であると言い掛かりをつけている」と批判した。発射をめぐっては、米韓政府が北朝鮮の立場に配慮した対応をする一方、米韓メディアや一部の政治家は「国連安全保障理事会による制裁に違反する短距離弾道ミサイルの発射が含まれている」と強く批判している。この日の発表は、これらの批判に反論する狙いだった可能性がある。
一方、フランス政府は6日、北朝鮮の飛翔体発射を非難し「一切の挑発行為の自制」を呼びかける声明を発表した。報道官の批判はフランスの対応をも念頭においている可能性がある。(ソウル=武田肇)