タイの振り込め詐欺の拠点とみられる住宅で3月、日本人の男15人が不法就労の疑いでタイ警察に逮捕された事件で、警視庁は20日、福井市の女性に対する詐欺の疑いで15人の逮捕状を取った。捜査関係者への取材でわかった。22日に捜査員30人余りを現地へ派遣し、24日にも15人を日本に移送して逮捕する方針。
捜査関係者によると、15人はいずれも住所不定、職業不詳の22~54歳。タイ中部パタヤの住宅で3月下旬ごろ、有料サイトの利用料金で未払いがあるとするうそのメールを50代女性に送り、メール記載の番号に電話してきた女性に未払い料金として30万円を請求。福井市のコンビニエンスストアで電子マネーのギフトカードを購入させ、30万円分をだまし取った疑いがある。カードの番号を介して一定の金額を他人にプレゼントする機能を悪用したとみられている。
タイ警察はパタヤの住宅からパソコンやIP電話機などを押収。15人が共同生活をしながら同様の手口で日本各地の約200人から計2億円超をだまし取った可能性があるとみている。
警視庁はタイ警察から情報を得ながら、15人が関与した事件の特定を進めてきた。ほかに指示役らがいるとみてグループの実態も調べる。