東京港の見学に使うため東京都が約17億円かけて建造している新たな視察船の納入時期が、予定していた6月から半年ほど遅れる見通しであることが分かった。都によると、納入前に船体の広い表面に凹凸が見つかり、補修が必要になったという。
視察船は、都民による東京港の見学や行政関係者らによる視察で使うために、戦前から都が導入している。乗船は無料で、2018年度は約350回運航し、約1万6千人が利用した。1983年に完成した現在の視察船「新東京丸」(全長約32メートル、乗客定員100人)の老朽化が進んだため、都は16年、新たな視察船(全長約35メートル、乗客定員90人)の建造の入札を行い、イタリアの造船会社が落札していた。
新船は今年6月に納入され、9月から運航する予定だったが、1月ごろに都の職員が検査したところ、船体の表面に凹凸が見つかった。都によると、造船会社側は作業に問題はなかったと主張していたが、協議の末、同社が補修することで合意。ただし補修作業に時間がかかり、納入は12月に、運航開始は来春にずれ込む見通しだという。それまでは代替船で対応する方針だ。
都の幹部は「海外の企業への発…