地球のオゾン層を破壊するフロンガスの放出が中国東部で増えていることを、国立環境研究所などが参加する国際研究チームが見つけた。2010年に全廃されて以降も、新たに製造されている可能性があるという。論文が23日、英科学誌ネイチャーに掲載された。
断熱材用の発泡剤などとして使われるフロンガス「トリクロロフルオロメタン」は、オゾン層への悪影響がとくに大きい。1989年に国際的な取り決めで生産が削減、10年には世界的に全廃された。大気中の濃度は1990年代後半から減少していたが、10年代に入って減り方が鈍っていた。
チームは、ガス濃度が高くなる現象が頻繁にみられた韓国・済州島と沖縄県波照間島の観測データから、放出源を推定。13年ごろから中国東部で放出量が増え、地球全体での増加量の少なくとも4~6割分にあたることを明らかにした。
全廃前に作られた断熱材などか…