愛知県は3日、自動車の解体施設「ヤード」を規制する条例案を、6月の県議会定例会に提出することを発表した。成立すれば全国で3例目。違反した場合、業者に営業停止命令を出せるなどの強い規制が可能となる。
盗難車事件の温床「ヤード」適正化条例案提出へ 愛知県
条例案によると、ヤード側には、従業員名簿の作成▽買い取り相手の確認▽引き取った自動車記録の保管などの義務が課され、警察官の立ち入り調査が迅速にできるようになる。県警が盗難の疑いがある車がヤードに持ち込まれたと判断した場合は、業者にその車の保管(10日以内)を命じることもできる。さらに違反業者には営業停止命令を出すことができ、従わない場合は最大で1年の懲役または50万円の罰金が科される。
条例が成立すれば、15年施行の千葉県、17年施行の茨城県に次いで3例目となる。ヤードは盗難車が持ち込まれるなど、一部が犯罪の温床とも指摘されており、大村秀章知事は「車の盗難の手口は、年々巧妙化している。より機能的に立ち入りや取り締まりができるよう、権限の強化はあってもいい」と述べた。
条例案は、14日から開会する県議会6月定例会に提出され、成立すれば12月1日から施行される。(比留間陽介 竹井周平)
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