岩屋毅防衛相は4日の閣議後会見で、4月9日に青森県の三沢沖で墜落した航空自衛隊三沢基地(青森県)所属の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの集中捜索を打ち切ると発表した。今後、F35Aの安全性が確認されれば、運用停止中の同型12機の飛行を近く再開させることも明らかにした。
事故発生から2カ月近くたち、発見は困難と判断した。F35Aは軍事機密を多く含んでいるため、捜索自体は態勢を縮小して続けるとしている。これまでの捜索では、フライトデータレコーダー(FDR)の一部を含む墜落機の機体の一部は見つかっているものの、飛行中の高度や進行方向などが残る記録媒体は見つかっていない。
岩屋氏は、ともに訓練をしていた周辺機との通信データなどから「事故原因がある程度特定でき、対策を講じて安全確保できると判断すれば、飛行を再開したい。遠からず事故原因の絞り込みができるのではないか」と述べた。関係者によると、パイロットが訓練中に機体の位置などの平衡感覚を失う「空間識失調」に陥った疑いがある。