航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが青森県沖で墜落した事故で、防衛省は10日、パイロットが平衡感覚を失う「空間識失調」に陥った可能性が高いとの調査結果を公表した。岩屋毅防衛相は、再発防止のための訓練を経て、飛行再開に向け近く地元に説明し、理解を求める方針を明らかにした。
調査では、地上レーダーの記録などを分析。その結果、機体は異常な高速で海面に向かってほぼ垂直に降下し、30秒ほどで1万メートル近く高度を下げていたという。この間もパイロットは、落ち着いた声で地上と無線交信し、機体トラブルを訴えたり、緊急脱出を試みたりした形跡はなかった。
こうしたことから防衛省は、パイロットが空間識失調に陥り、異常な急降下を自覚しないまま海面に突っ込んだ可能性が高いと判断した。残る同型12機からは不具合は見つかっていない。
岩屋氏は「多大な不安を与え誠に申し訳ない。関係自治体に丁寧に説明していきたい」と述べた。