東京・池袋で4月、車が暴走して母子が死亡、10人が負傷した事故で、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(88)が「最初の接触事故の後、パニックになってアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性もある」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は操作ミスが原因とみており、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで元院長を書類送検する方針だ。
警視庁は13日、飯塚元院長を現場に立ち会わせて実況見分した。事故車と同型車の後部座席に乗せ、約150メートルを暴走した経緯を確認。母子らがはねられた交差点では元院長が車から降り、捜査員の問いかけに答えた。元院長は両手に杖を持ち、片足を引きずるような足取りだった。
捜査関係者によると、飯塚元院長は「ブレーキが利かなかった」などとも説明。ただ、事故車のブレーキやアクセルに異常は見つかっていないという。警視庁は証拠隠滅の恐れがないなどとして引き続き在宅で捜査を進める。