モーター大手、日本電産の永守重信会長が、ブランド名や、海外子会社に使っている「Nidec(ニデック)」に会社名を変えるかもしれないと、株主総会で明かした。将来、一般消費者向けの商品を販売する場合には、ブランド名を浸透させた方がよいからだという。
株主総会は18日、京都市で開かれた。社名変更の可能性についての株主からの質問に「海外では日本の漢字はわからない。いずれ変えなければいけないときは来る」と述べた。
同社は1973年に永守氏らが創業したときから、海外展開を視野にニデックというブランド名を使っていた。「Ni」は日本、「de」は電産、「c」はカンパニーの意味で、永守氏自身が考えたという。
海外ではニデックのほうが定着している。名刺の英語表記も「NIDEC CORPORATION」だ。ただ国内ではニデックの浸透具合はいま一つ。永守氏も「日本人はニデックと言われたときに『どこのことや』と分からない人がいる」と認める。
同社は23年度に売上高4兆円(18年度は1兆5183億円)の達成を目標にしている。永守氏は、その頃には、一般消費者向け商品にも乗り出している可能性があると言う。「そうなると、ブランドを売らないかん。ブランドイコール社名にしないといけない。そのときに(漢字の)日本電産をブランドにするバカはいない」と語った。(中島嘉克)