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この日で開館30年を迎えたひめゆり平和祈念資料館そばの「ひめゆりの塔」前でも慰霊祭があった。2002~10年に館長を務めた本村つるさん(94)も参列。「毎年(慰霊祭に)来るが、そのたびにあの時代を思い出す」と話した。 いまも、苦しくて口に出すのをためらう体験がある。 74年前、学友と沖縄本島南部を逃げ惑っていた。そのさなか、後輩の大舛清子さんが砲弾で腰付近にけがを負った。一緒に連れて行こうとしたが、けががひどく運べなかった。「後で迎えに来るから」。そう言って離れたが、米軍の攻撃が激しく、戻れなかった。 「どんなして亡くなったかと思うと胸が裂けそう。なぜあのとき、『自分は残る』と言わなかったのか」。自責の念に、戦後もずっとさいなまれてきた。 ひめゆり平和祈念資料館は1989年にできた。本村さんも「亡くなった人たちのことを、生きた者が伝えなければ」と設立にかかわった。同じように友を失った痛みを抱える仲間が支えとなった。 館内には200人以上の遺影が並ぶ。好きだったことや人柄が添えられ、それぞれが生きた証しを伝える。本村さんは、彼女たちも語り手となってくれてきた、と感じている。 開館したとき、本村さんは64… |
友の生きた証し、伝え続ける ひめゆり資料館30年
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