沖縄戦の最後の激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)にある平和祈念公園では、23日正午前から、沖縄全戦没者追悼式が開かれた。玉城デニー知事は平和宣言でウチナーグチ(沖縄の言葉)と英語を交え、「平和を愛する沖縄のチムグクル(真心)を子や孫に伝えなければなりません」と述べた。安倍晋三首相も出席した。
玉城知事の平和宣言全文「辺野古移設断念を強く求める」
今回の追悼式は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画で、政府が昨年12月に名護市辺野古沿岸部の埋め立てを始めてから、初めての開催となる。約5100人(県発表)が参列した。
玉城知事は、2月の県民投票で辺野古の「埋め立て反対」が多数を占めたにもかかわらず工事を強行する政府を「民意を尊重せず、地方自治をないがしろにするものだ」と批判した。その上で「全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない多様性と寛容性にあふれる平和な社会を実現するため、全身全霊で取り組んでいく」と宣言した。
一方、安倍首相は来賓あいさつで「沖縄の方々には、米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいております。基地負担軽減に向けて、確実に結果を出していく決意であります」と話したが、辺野古移設については直接触れなかった。