愛知県東海市の川上貴士さん(77)が市立勤労センターを訪れたのは、6月下旬のこと。参院選に向けた自民党支部の総会に出席するためだった。
【特集】与野党激突、参院選めぐる発言集
【参院選2019特設ページ】選挙情報を多角的に
川上さんは自民支持を公言する。しかし、かつては市内の製鉄所に勤め、約50年にわたり野党に投票してきた。
考えが変わったという。
東海市は鉄の街だ。自動車や航空産業に主要部品を供給する鉄鋼メーカーの工場がひしめく。その労働組合の力が強く、過去20年以上、国政ではほぼ毎回、野党系候補が自民候補を上回ってきた。
組合員だった川上さんも、現役時代は協力を惜しまなかった。市議選で何人もの組合員が立候補すれば、自宅のげた箱に候補者の顔写真を貼り、家族に覚えさせ、票をふり分けた。
連日の残業、徹夜、休日返上……