鹿児島、熊本、宮崎の3県で100万人以上に避難指示・勧告が発令されるなど3日も記録的な大雨が降り続く九州南部。学校は休校になり、避難所に身を寄せた住民たちは疲労の色を浮かべた。
鹿児島市全域、60万人に避難指示 河川の氾濫迫る
鹿児島市下竜尾町の福祉施設に設けられた避難所には3日午前11時現在、12世帯17人が避難した。女性(71)は「家の後ろの山が崩れるかもしれない。避難している方が心が落ち着く」と話す。鹿児島一帯で49人の死者・行方不明者を出した1993年の「8・6水害」のときは家族と1日連絡がとれず、不安な思いをした。「『8・6水害』を思い出す」と心配そうな表情を浮かべた。
小学6年生の男児(11)は家でサイレンを聞いて1人で避難してきた。仕事に出た母と事前に準備した着替えやラジオを持ち込んだ。「初めての経験でちょっと怖かった」と話した。
鹿児島県教委によると、鹿児島市や日置市、いちき串木野市などの小中学校や高校など計479校が3日は休校となった。「非常事態のため、児童生徒の安全に配慮した」としている。
熊本市は2日夕、河川付近や土砂災害の恐れのある場所を対象に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、市内20カ所に避難所を開設した。熊本市西区小島2丁目の西部公民館に避難した松村京子さん(70)は、避難所が開設されたという放送を聞き、毛布などを持って車で身を寄せた。テレビでは「命を守る行動を」と放送するが、「その行動が何か分からない。結局避難することしかできない」と話した。