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インド唯一の華人街「未来はないよ」 国境紛争後に迫害



かつて華人が多く住んでいた地区=コルカタ、奈良部健撮影



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中国系の人々は世界中に圧倒的なネットワークを持つことで知られるが、人口13億の大国インドでは、華人街が東部のコルカタにしかない。しかもそれが消滅の危機にある。(コルカタ=奈良部健)


「この通りには華人の靴屋が100軒以上並んでいたが、今や数軒。インド人のイスラム教徒ばかりになった」。コルカタの下町、ティレッタ地区の華人街を案内してくれた元大工の何元達さん(64)は、そう語った。仏教寺院や店には中国語の古びた看板がかかる。6カ所の華人学校はいずれも廃校となった。


長く英領インドの首都だったコルカタに中国人が移住してきたのは1770年代から。広東出身の貿易商が英国東インド会社の許可を得てサトウキビ農園や製糖工場を開いたのが始まりという。1930~40年代は日本の中国侵略を逃れた人々が移住。最盛期の50年代には約3万人が暮らした。それが今は1千~2千人。「あと何年もつか。未来はないよ」と何さん。


華人の多くは靴製造や皮革業に従事した。ヒンドゥー教徒が殺生を嫌うため競争が少ない業種だった。また入れ歯師が少なかったインドで華人の歯科医は貴重な存在だった。




インド随一と言われた高級中華料理店「南京大飯店」の建物は荒れ果てていた=コルカタ、奈良部健撮影



コルカタには、中心部のティレッタ地区と、約5キロ離れたタングラ地区に華人街がある。タングラには現在、中華料理店が多い。


紛争の陰、華人への不信感


華人が減るきっかけは62年の…


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