香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる問題で、香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は「改正案は死んだ」と表明した。だが、「完全撤回」を掲げる民主派は納得せず、林鄭氏の辞任などの要求も突きつけ、対決姿勢を強めている。大規模な抗議活動が始まって1カ月。香港社会の混乱は収まりそうもない。
「逃亡犯条例改正案はすでに死んだ」「改正作業は完全に失敗した」。林鄭氏は9日、約1カ月ぶりに再開した定例会見で力なく語った。
1カ月前の「103万人」(主催者発表)の市民が参加したデモを受け、林鄭氏はまず改正作業の「停止」を表明。さらに6月16日に参加者が「200万人に近い」(同)大規模デモが起きると、「完全停止」と表現を強めたうえ、廃案を受け入れると踏み込んだ。そして、今回は「死んだ」と言い切った。
だが、こうした経緯を知る民主…