韓国への半導体素材などの輸出規制を日本が強化したことに対し、韓国政府は9日、ジュネーブでの世界貿易機関(WTO)の物品貿易理事会で、「日本の措置はWTO規定に根拠がない」と批判し、撤回を求めた。日本側は「WTO協定に沿っている」と反論した。
韓国側は、この日の議事の最後にあった「その他の議題」の中で触れた。出席した通商関係者らによると、韓国政府は日本の措置が「WTO加盟国が守ろうと努力している自由で公正な貿易を脅かす」と批判。「日本を含む世界の電子製品の調達網を混乱させる」と指摘し、撤回を求めた。
日本は在ジュネーブ日本政府代表部の伊原純一大使が反論に立ち、「今回は禁輸措置ではなく、安全保障に関する貿易管理上の見直しだ」と主張。「韓国を簡素化手続きの対象から通常の手続きに戻したもので、WTO協定上問題はない」との認識を改めて示したという。(ロンドン=和気真也)