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「今のままでは甲子園は無理」部員の言葉で変わった監督

高校野球茨城大会は13日、4球場で2回戦8試合があった。3連覇を目指す土浦日大は茨城キリストに快勝。春の県大会で8強入りしたつくば秀英は下妻一に2―6で敗れ、初戦で姿を消した。14日は調整日で試合がなく、15日は4球場で3回戦8試合が予定されている。


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監督の一言、本気モードに変わった 東風・亀井波矢人主将(3年)


初戦敗退した東風の亀井波矢人主将(3年)は、境の校歌を聞き、大粒の涙を流しながら、あの日のことを思い出していた。


2018年11月23日。桜庭裕也監督の社会人時代の先輩である日本製鉄の中島彰一監督に指導を受け、問い詰められた。「君たちは本気で甲子園を目指しているのか」。沈黙のあと、1人の部員が口を開いた。「今のままでは無理です」


その言葉で、桜庭監督の意識が変わった。


自由参加だった朝練は強制参加となり、放課後の練習も1時間以上延びた。グラウンドに「甲子園」と書かれた横断幕を掲げ、練習始めと終わりには「いくぞ、甲子園」と叫んだ。


亀井君も変わった。遠慮がちな自分を変えようと、考えや感情を表に出すようにした。厳しい練習が嫌になり、冬場には2年生3人が退部を申し出たが、「ここで逃げていいのか。お前と甲子園に行きたい」と説得し、思いとどまらせた。


チームは例年になくまとまり、先月末の秋田遠征では、昨夏準優勝の金足農に勝利。自信をつけて茨城大会に臨んだ。


そして迎えた初戦。亀井君は一回裏に中前打を放ち、同点のホームを踏むと、捕手としても、佐賀叶典投手(3年)を巧みにリードした。


1点リードで迎えた四回表1死三塁のピンチ。三振を奪い、「これでスクイズはない」と落ち着いて佐賀君に返球すると、同時に三塁ランナーがスタートし本塁に生還。七回には1死三塁から初球でスクイズを決められ、勝ち越された。甲子園までの壁は厚く、高かった。


試合後、東風の選手たちは、涙をこらえきれなかった。桜庭監督は「本気で取り組んだからこその涙。胸を張ってほしい」。亀井君は、後輩一人ひとりの背中をたたき、激励した。「悔しさを忘れるな。お前たちは絶対に甲子園に行けよ」(佐々木凌)


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