(9日、高校野球茨城大会 伊奈5-0茨城高専)
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七回表2死、茨城高専の渡辺大喜君(3年)が、この日3回目の打席に入った。チームはここまでヒットがない。「1、2回目の打席で、直球に絞れば打てると思った」。狙い通り内角低めを振り抜き、中前にはじき返した。
緩急織り交ぜた投球が身上のエースだが、1年ほど前から腰痛に悩まされてきた。接骨院に毎週通ったが完治しない。この日も試合途中から痛みが出たが、「いつものことだから」と割り切って、投球に専念した。再三、走者を背負いながら、粘り強い投球で、七回にマウンドを譲るまで2失点でしのいだ。
チームは昨夏の大会後、部員が6人になり、秋の大会は合同チームで出場。今春、新入生が加わり、夏は単独で出場できた。
試合は渡辺君の安打1本に抑えられ完封負け。主将の内藤大地君(3年)は「少ない部員でも他校との合同練習でモチベーションを保ってここまで来た。きょうは打線が支えてやれなかったが、渡辺は痛みを押してよく投げてくれた」と感謝を述べた。(谷口哲雄)