その背後にあるのは文化への認知と自信
最近、ある有名IT企業の調査研究チームは、深センや西安、瀋陽、霊石など9都市に足を運び、深層面接法と調査アンケートを組み合わせて、00後(2000年以降生まれ)の認知行動を調査し、その結果をまとめた。結果によると、00後の文化的認知は明らかに強化されている。同世代は、北京オリンピックが開催されたり、中国が有人宇宙飛行に成功したりなど、歴史的な大事件を見て育っているのと同時に、急速に発展する中国国産アニメや映画、ドラマ、台頭した故宮、敦煌などの民族文化も目にしながら育ったため、民族文化に親しみを感じると同時に、個性の発揮の仕方も知っている。
テーマに合った斬新な表現構造を使った独特の文化芸術ムードは、ネット上で生まれているドキュメンタリーが大人気となっているカギとなる要素だ。評論界を見ると、市場化されながらも、文化の初心を忘れないドキュメンタリーが、大ヒットする理由だとしている。
コミュニティサイト・豆瓣のレビューが9.2ポイントと大好評で、ビリビリの弾幕数が3万6000件にも達した「但是、還有書籍」は、文化的ムードが漂う中、誕生したドキュメンタリー作品の典型的な例だ。同作品は、編集、装幀、翻訳、本屋の店長、絵本作者、中古本コレクターなど、本が好きな人の物語を通して、今の時代の図書の「一生」を描き出している。また、かわいらしいアニメーションが時々登場し、見飽きることのない仕上がりになっているほか、ロマンチックな文芸の質感も演出している。その他、同作品の製作チームは、ナレーターに俳優の胡歌(フー・ゴー)を起用している。個性的な彼の声は、同作品の個性をさらに高めているだけでなく、彼自身が漂わせる文芸的ムードが作品と絶妙にマッチングしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年4月29日