中国にとって、今年2020年は、「貧困脱却の難関攻略」の勝負を決する重要な年。目標によると、中国では、2020年までに貧困人口の全てが貧困からの脱却を達成する計画となっている。中国政府は、数年前から、「ターゲットをしぼった貧困支援」のためにさまざまな措置を講じ、低所得農家の所得増加を加速させてきた。具体的な措置として、観光による貧困支援、Eコマースによる貧困支援、教育による貧困支援、科学技術による貧困支援、雇用による貧困支援、生態保護による貧困支援、居住地移転による貧困支援などの政策が講じられてきた。ここで紹介している農村部住民の物語は、貧困支援政策を通じて運命を劇的に変化させた国内1千万戸以上の世帯の縮図といえよう。
■観光による貧困支援
〇「東方女児国」観光が貧困支援を後押し 雲南省永寧鎮
「東方女児国、ロマン溢れる瀘沽湖」-雲南省麗江市寧蒗イ族自治県の北端にある永寧鎮は、東を四川省涼山イ族自治州塩源県瀘沽湖鎮および同県前所郷と接し、四川・雲南二省3県が交わる国家級景勝地の瀘沽湖景勝地内に位置する。詳しくはこちらへ
〇新疆フトビのハナダイコンが満開 観光客を誘う花の海
新疆維吾爾(ウイグル)自治区昌吉回族自治州呼図壁(フトビ)県園戸村鎮和荘村の嘉泰農業博覧園では、面積約4ヘクタールに上るハナダイコンの花畑が満開となり、多くの観光客が鑑賞や写真撮影を楽しんでいる。同県では数年前から、苗木・花卉産業を足掛かりとして、「企業+農家」スタイルによって、特色ある苗木・花卉栽培拠点を建設し、田園風景や花畑、環境に配慮したエコロジーな街づくりに尽力してきた。詳しくはこちらへ
■Eコマースによる貧困支援
〇ライブコマース活用して貧困脱却をサポートする雲南省ニンアール
雲南省普■(プーアル)市(■はさんずいへんに耳)寧■(ニンアール)ハニ族イ族自治県は最近、ライブコマースを通して、消費者や業者にプーアル茶や特産品をPRし、山地に住む農民が所得を増やして貧困脱却を実現できるようサポートしている。詳しくはこちらへ
〇秦嶺の山奥で養豚に従事する1990年代生まれの女性 陝西省
秦嶺の奥深くにある陝西省商洛市洛南県保安鎮東湾村に、周紅珍さんという「90後(1990年代生まれ)」の女性が住んでいる。周さんは、最も伝統的な「放し飼い」によって黒豚の一種「黒土豚」の養豚を行っており、ライブコマースとネットショップという販売形式を使い、生態養殖によって豊かさを手に入れようとしている。詳しくはこちらへ
■教育による貧困支援
〇苗山の貧困脱却に向けた標準語学習 休暇中の女子大生が行う特別授業
1999年10月生まれの梁孟香さんは、広西壮(チワン)族自治区融水苗(ミャオ)族自治県桿洞郷党鳩村出身のミャオ族女性で、現在は広西科技師範学院で学んでいる。新型コロナウイルスの感染状況の影響を受け、休暇期間が延びたことから、梁さんは、母親世代の女性たちに標準語を教える「バイリンガル貧困脱却支援員」という課外指導員に招かれた。彼女は、故郷の貧困脱却の難関攻略に微力でも貢献することは大変意義深いと考え、同じように感じた周囲の大学生も次々と課外指導員の仲間に加わっている。詳しくはこちらへ