米紙の「ニューヨーク・タイムズ」と「ザ・ヒル」、フランス通信社(AFP)など複数のメディアが伝えたところによると、米国のトランプ大統領は中国のショート動画共有アプリ「抖音」の海外版「Tik Tok」(ティックトック)の米国での使用を禁止すると脅したのに続き、3日にまた「ティックトックは9月15日までに米国(企業)に売却されなければならない。そうでなければ事業を停止しなければならない。また取引金額の相当の部分を米財務省に納めなければならない。なぜなら我々がこの取引を可能にしたからだ」と威嚇した。環球網が伝えた。
「ザ・ヒル」によると、トランプ氏は3日にホワイトハウスで行われた記者会見で、マイクロソフト社(MS)によるティックトックの買収に賛成するとしつつ、「我々は日程を9月15日頃と定め、その日が来たらティックトックは米国で事業を停止する。しかしMSやほかの大企業が買収すれば、面白いことになるだろう。MSでも誰でもかまわない。大企業で安全な企業、米国的な企業が買うのであればよい。全部買う方が30%を買うよりも簡単だ」と述べた。
報道によると、トランプ氏は特に、「MSでもほかの会社でもティックトックの取引完了後、取引金額のかなりの部分を米財務省に納めなければならない。なぜなら我々がこの取引を可能にしたからだ」と強調した。「ニューヨーク・タイムズ」は、「トランプ氏は発言の中で今回の取引をどのように操作するか説明していない」と伝えた。
トランプ氏の発言の中での最もあからさまな威嚇は、「我々が権利を与えない限り、ティックトックはいかなる権利ももたない」と述べたことだ。
「ニューヨーク・タイムズ」の3日付報道によると、「トランプ氏はティックトックについて方針を転換し、MSの入札のドアを開いた。これはティックトックの米国での使用を禁止すると述べた後、MSのティックトック買収について初めて述べたコメントだ。トランプ氏の態度からティックトックが一時的に『刑を猶予された』ことだけはわかる」という。
ここ数日、米政府がビジネス界大手と組んでティックトックを脅かし、強引に買収しようとしていることが国際社会の注目を集めている。ドイツのニュース専門テレビ局は3日、「ティックトック事件は米国の経済的強権の象徴の1つだ。ドイツ、フランスなど多くの欧州諸国の企業も米国による各種調査の対象になっている」と伝えた。ロシアのメディアと研究者は米国の『経験』を参考にして、ロシアで運営される米国のSNSを禁止することを提案している。中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は3日、「米国が押し広げる国家安全保障の概念は、証拠がない状況で関連企業を『推定有罪』として威嚇するもので、市場経済の原則に背き、米国のいう公平性と自由の保護が偽りであること、典型的なダブルスタンダードであることが明らかになり、また世界貿易機関(WTO)が掲げる開放的、透明性、非差別との原則に違反するもので、中国はこれに断固反対する」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月4日