アプリをダウンロードしなくても、ショートメッセージサービス(SMS)内で動画を送信したり、航空券を購入したり、紅包(ご祝儀)を受け取れる。こんな夢のような機能が、今年の年末に商用化が見込まれる5Gのリッチコミュニケーションサービス(RCS)で可能になる。このほど行われた中国移動のグローバルパートナー・カンファレンスで、中移互聯網(インターネット)有限公司の関係責任者が、「5GのRCSは年内に商用化を実現する見込み」と述べた。では、5GのRCSは一体どれほどすごいのだろうか。人民網が伝えた。
5GのRCSで何ができるのか。説明によると、通信技術との融合に基づく5GのRCSは従来のショートメッセージサービスの進化形だ。スマートフォンに搭載されたショートメッセージのインターフェースから、ユーザーの画像やテキスト、音声や動画送信、グループチャット、ファイル送信、通話中の内容共有などリッチメディアのメッセージング形式をサポートし、SMS内で双方向交流、検索、シェア、決済などの業務をワンストップ式で体験できるようにするものだ。
動画送信、航空券購入、レストラン予約、位置情報共有、紅包受領などができるようになり、たとえば、鉄道乗車券予約の電話窓口12306との間で、音声やテキストを発信したり、キーワードをクリックしたりすることで、乗車券の予約、決済、変更などがより迅速に行えるようになる。
5GのRCSには料金がかかるのか。1件で0.1元(約1.58元)というこれまでのショートメッセージに比べ、5GのRCSは件数や通信量に基づいた料金計算もできれば、大口顧客による一括支払もでき、広告を見る顧客に費用を支払うこともできる。5GのRCSに対応するスマホで、ショートメッセージのインターフェースに設けられているメッセージ機能増強(5GRCS)のスイッチをオンにすれば使用できるようになる。
11月19日、中移互聯網社の関係責任者は同カンファレンスで、「華為(ファーウェイ)、小米、サムスンなどのブランドのスマホは5GRCSの機能テストに合格した。このうち小米ブランドの複数の機種は中国移動ユーザーの5GのRCS利用に対応している。中興通訊(ZTE)は中国移動と連携して世界初の5GRCSプラットフォームを打ち出し、長期にわたりイノベーション(革新)と開発を続ける方針を明らかにした。これまでに3大キャリアとの全面協力を展開し、キャリアの5GRCSプラットフォーム構築に協力してきた。また、ファーウェイも11月末に中国移動ユーザー向けスマホの5GでのRCS機能バージョンアップをはかる予定だ」と述べた。
業界関係者は、「5GのRCSはキャリアに5G商用化で最も早く実現する応用とみなされており、音声、メッセージ、ステータスバー、位置情報などの通信サービスを融合したものだ。産業界での応用では、金融、保険、証券、ECなどの産業は5GのRCSに差し迫ったニーズがある。こうした産業にはアプリを搭載するコストが高い、使用頻度が低いといった問題があり、5GのRCSはこうした産業の企業とユーザーの間のコミュニケーションの効率と使い勝手を極めて大きく改善することになる」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月27日