最近のオーストラリア政府による一連の反中的言動について、複数の外国メディアは、「中豪情勢の緊張によって、すでにオーストラリアは貿易面で代償を払わされている。対立がエスカレートし続けた場合、オーストラリアの経済回復はさらに挫折する」と指摘している。人民日報海外版が伝えた。
オーストラリアの中国に対する敵対的言動は各方面の批判を招いている。英紙ガーディアンによると、オーストラリア労働党のティム・ワッツ議員は、「オーストラリアの一部タカ派政治家が鼓吹する中国経済とのデカップリングは、『未曾有の国家的自滅行為』となる」と指摘する。オーストラリア自由党のデイブ・シャルマ議員も、「中国との全面的なデカップリングという考えは得策でない。すでに中国は世界経済に深く融け込んでおり、オーストラリアはまさに中国の発展から多大な利益を得ているからだ」とする。
経済協力開発機構(OECD)は12月に発表した最新の世界経済見通しで、2020年にオーストラリアのGDPは3.8%下降すると予測。今後の中国とのいかなる政治的緊張の激化も、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でのオーストラリアの経済回復に影響を与えるだろうとした。
「オーストラリアは自らの経済・社会発展に関わる根本的問題において、『二股をかける』ことはもうできない」。中国社会科学院海疆シンクタンクの王暁鵬シニア・フェローは、「中国経済による恩恵を被りながら、安全保障上は中国を封じ込めるという妄想を抱くことはもうできない。これはオーストラリアの発展にとって絶対にマイナスだ」と指摘する。
王氏はさらに、「オーストラリアの一部政治屋は票集めのために、政治的主張がポピュリズムやエンターテインメントに偏っており、国内の反中感情とナショナリズムを煽り立てることで、政治的利益を得ようとしている。このような少数の政治屋にオーストラリアの対外政策が翻弄されれば、中豪関係にとってマイナスであるだけでなく、オーストラリア自身にとっても災難だと言っていいだろう」と分析する。
オーストラリア放送協会(ABC)の報道によると、西オーストラリア州のマーク・マガウワン首相はこのほど、冷静になって中国との関係を改めて安定させるようオーストラリア政府に呼びかけた。マガウワン首相は、「両国は政治制度は異なるが、重要な協力パートナーであり続けてきた。我々が引き続き長期的な貿易パートナーと友好的関係を保ち、対立ではなく話し合いによって問題を解決することを希望する」と表明した。
「地域の大国であるオーストラリアにとっては、自国の発展における核心的利益を明確にし、これに基づき各大国との関係を形成することこそが、発展の正しい道だ」と王氏は指摘している。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年12月15日