秦始皇帝陵博物院と英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の共同研究チームはこのほど、「秦の兵馬俑の制作には、『複数ルートによる供給』スタイルが採用され、異なる多数の作業場で同じ作品を制作した」とする最新研究成果を発表した。中央テレビ局ニュースが報じた。
研究チームはポータブル蛍光X線分析装置を使用したスペクトル分析方法を用い、1号兵馬俑坑に保存されている出土品28点の対し、動かさず、損傷を与えない形での調査を行い、その地球化学データを取得し、分析を行った。
研究報告によると、同じ陶の兵馬俑の場合、各パーツの成分は似通っているが、異なる陶の兵馬俑では、身体の同じ部分の成分を調べると、明らかな違いがあったという。これは、兵馬俑の制作がモジュール生産方式で行われている訳ではなく、異なる作業場でそれぞれ制作された可能性が高いことを意味している。このような多様化・多ルートによるサプライチェーン・マネジメントは「規模の経済」が存在していた証拠である可能性が高く、それにより、かなり短期間でこのような前代未聞のプロジェクトが完成し、技術的な問題によって制作プロセスが滞るリスクを減らすことができたと考えられている。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年12月17日