夏の甲子園の開会式でグラウンドに整列した選手たち=2017年8月8日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場
アイドルグループ「嵐」で活躍する相葉雅紀さん(35)は、甲子園へ通うほどの高校野球ファン。球児たちの姿は、16歳でデビューした自分が同年代の頃より、「大人」に見えるという。
動画もニュースもたっぷり!「バーチャル高校野球」
◇
数年前から甲子園で高校野球を観戦しています。昨夏は3回戦の(九回2死からの失策で逆転劇が起きた)大阪桐蔭―仙台育英の試合が印象に残っています。「完全に(失策で)流れいっちゃった」「ありえないことが起こるのが甲子園なんだ」と思いました。その日は(本塁打記録を後に塗り替える)広陵の中村奨成選手(現・広島カープ)の本塁打を見られたのも良かったですね。
普段は負けている方のチームを応援します。甲子園での観戦は、自分の好きなところを見られるのが魅力です。アルプス席だったり、ベンチだったり。テレビ観戦も解説があって、涼しいところで見られるので、どっちも好きです。
〈高校野球好きだった祖父の影響で野球好きになった。〉
小学校低学年くらいのころに地元の千葉大会の球場に連れて行かれました。最初はスタンドでたこやきを食べているのが楽しかったとかでしたけど、だんだんルールが分かってきて選手が格好良く見えてきて自分でもやりたくなり、小学校3年から6年まで少年野球をしました。高校野球はプロ野球と同じような憧れの目線で見ていました。
(2000年の第82回大会で準優勝した時の)東海大浦安(千葉)の応援に熱が入りましたね、やっぱり生まれ育った千葉の代表なので。最初は県内で戦っていて、代表になれば千葉の人、関東の人が応援して。高校野球を通じて地域が一つになり、その地域も広がっていくんですよね。
〈球児と同じ年代の16歳でデビューし、約20年。その頃とは高校野球の見方も変わってきた。〉
プレーだけではなく、そこに上がってくるまでのバックグラウンドが気になるようになりました。選手一人ひとりに家族や友人のサポートがあって、グラウンドに立っている。例えば中学校でバッテリーだったけど離れた県に進んで対戦するとか。そういうストーリー込みで高校野球。知るとより応援に熱が入ります。
ホームランバッターも見ていてテンション上がるけど、無名のボールボーイを見ていても泣けてくる。3年生だとしたら監督に性格を認められている部員なんだろうなとか、想像しちゃう。選手からマネジャーになる部員もいて、後ろから支えて甲子園に行くとか、そういうところがドラマチックで素晴らしい。
まだ高校生の子たちというのを忘れてしまうくらい選手たちが立派に見える。みんなで戦っているのが高校野球のいいところだし、それを球児がわかっている。いろんな経験をしていて、自分が同年代の時より大人に見えます。
〈今夏は朝日放送(ABC)テレビ・テレビ朝日系列の高校野球関連番組に出演。グループで歌うテーマソングの発表会見では甲子園の土を踏んだ。〉
僕たちの歌で球児の背中を押し、高校野球好きの人にも印象に残る曲であったらうれしい。
当日はスコアボードに名前も表示してもらい、一生あり得ないと思っていたので、貴重な経験でした。浜風を感じてみようと外野にも行ってみました。その後、球場に併設されている甲子園歴史館に行きました。第1回の優勝旗、当時のちょっと大きくなった手みたいなグラブ。戦争を挟んで100回目を迎えるという歴史は感じても感じきれない。それくらいすごい大会なんですね。
今夏は一番近くで応援し、その日の雰囲気、あのプレーで球場がどよめいたとか、肌で感じたこと、自分の印象に残ったことを伝えられたらと思います。(聞き手・大隈崇)
◇
あいば・まさき 1982年生まれ、千葉県出身。96年にジャニーズ事務所に入り、99年にアイドルグループ「嵐」でCDデビュー。ドラマやバラエティー番組などで幅広く活躍中。嵐はABCテレビ・テレビ朝日系のハイライト番組「熱闘甲子園」のテーマソング「夏疾風(はやて)」を歌う。