後半、PKを止められ、顔を覆うポルトガルのロナルド=長島一浩撮影
(25日、イラン1―1ポルトガル サッカー・ワールドカップ)
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ポルトガルは第1戦で3―3と激しい撃ち合いを演じたスペインと勝ち点、得失点差、総得点でも並んでいた。混戦の中で、決勝トーナメント1回戦での対戦相手も気になる状況だった。
B組を1位で抜ければ、相手は開催国ロシア、2位なら難敵ウルグアイ。得失点差まで問われるなかで、試合はハイテンションで進む。
イランに逆襲から何度か危うい場面を作られながらも、ポルトガルはパスをつなぎながら好機をうかがう。失点を避けながらの根比べ。じれなかったことが実を結んだ。
前半終了間際、中盤で配球に専念していたAd・シルバがすっとゴール前に入ってきた。右からクアレスマが壁パスを交換して加速。右足外側で放たれたシュートはきれいな弧を描いて左隅に吸い込まれた。
第2戦までチームの計4得点をすべてロナルドがたたき出していた。待望されていたほかの選手によるゴールが生まれた。
静かだった試合は後半、一気にヒートアップした。
8分にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の判定でポルトガルにPK。反則を受けたロナルドが失敗したが、判定に不満を募らすイラン。試合は荒れた。
VARでロナルドに警告が出され、追加時間にはポルトガルのゴール前でDFにハンドの反則が確認されて、イランが引き分けに持ち込んだ。
欧州王者がさすがだったのは、球際で闘いながらも冷静に試合を進めたことだ。勝ち上がったことを喜ぶポルトガルのサントス監督は「VARの判定を受け入れなければならない」と語った。(潮智史)