中国科学院海洋研究所によると、中国の次世代遠洋総合科学調査船「科学号」が現在、マリアナ海溝で科学調査を展開している。すでに火山岩の試料、全水深海水試料などを取得している。新華社が伝えた。
11月23日に青島港を出港した科学号は、国家自然科学基金の共有航行段階を執行する。主に西太平洋の多圏間相互作用及びプレート沈み込み開始メカニズムについて科学調査を行う。航行段階首席科学者、中国科学院海洋研究所研究員の張国良氏は「12月に入り、作業海域の海の状況が明らかに好転し、科学調査に明らかな進展があった」と述べた。
科学調査隊員はカメラ付きのグラブ式サンプラーを使い、水深4438メートルの深海で200キログラム以上の火山岩の試料を採取した。うち最大の火山岩は100キログラム近くに達している。
また科学調査隊員はマリアナ海溝付近の海域の6カ所の全水深海水試料を採取し、1万リットル以上の海水をろ過した。うち最も深いポイントはマリアナ海溝のチャレンジャー海淵付近に位置し、科学調査隊員はそこで700リットル以上の海水をろ過した。
科学研究者によると、採取した海水試料は主に深淵の水文循環の立体的描画に用いられる。これは海洋水圏の全水深の海水の構成、大気・海洋界面と液体・固体界面の地球生物化学的プロセスを理解する上で重要な科学的価値を持つ。
中国科学院海洋研究所や北京大学などの科学調査者が今回の航海に参加した。調査内容は水文、地質、地球物理調査、試料採取などが含まれる。航行期間は50日を予定。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年12月22日