ジャイアントパンダ中国国家公園管理局は15日、世界で唯一の「白いジャイアントパンダ」が野外で活動している様子を撮影した映像を公開した。白いパンダが初めて野外で撮影された2019年5月から2020年末までの間に、四川省臥竜の野外に設置された赤外線カメラでその姿が捉えられたのは、2020年2月に2度あっただけで、今回の撮影は極めて珍しく貴重だ。人民網が報じた。
四川臥竜の白いジャイアントパンダ保護研究プロジェクトを担当している譚迎春さんは、「今回赤外線カメラに収められた映像から、この白いパンダは、2019年5月から2020年2月までの間に、かなり大きくなり、体格も立派になったことが分かる。小さい頃は全身が白い毛に覆われていたが、成獣になった後は、四肢の毛が薄い金色に変わってきている。2020年に2度撮影された映像では、この白いパンダはいずれも単独行動をしていた。年齢は3歳前後と推定され、すでに母親から離れて自立していると判断できる」と説明した。
国際自然保護連合(IUCN)熊類専門家チームのメンバーである北京大学生命科学学院の李晟研究員は、「動画に映っている白いパンダは、しっかりとした足取りで歩き、身体は頑丈で、毛並みには艶があり、健康な野生パンダであることが確認できる。『白化』現象は極めて珍しい現象だが、脊椎動物の各種動物では幅広く観察できる。『白化』は、一般的に、動物個体の遺伝子に突然変異が起こったことが原因で、突然変異によって個体の体内での色素合成が阻害され、白色・金白色・淡い金色の外観となる。単純な『白化』は、個体の生存に影響を及ぼすものではない。この白いパンダが、3歳前後になるまで順調に成長していることは、このパンダが生存環境にほぼ適応しており、生存状態も非常に良好であることを示している」としている。(編集KM)
「人民網日本語版」2021年1月18日