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「ホワイトカラーになる」という目標を目指して、多くの人が努力している。だが、複数の大学がこのほど発表した就職の質に関する報告によると、北京市に残って就職する卒業生が年々減少する傾向にあり、注目を集めている。「経済参考報」が伝えた。
複数の大学が発表した就職に関するデータによると、北京市に残る卒業生の割合が徐々に低下している。大学卒業生の動向はホワイトカラー層の就職の傾向をうかがうバロメーターであり、新型コロナウイルス感染の影響によって、社会全体で求人の増加の原動力が弱まり、超大都市は人材の流動がますます頻繁になり、「地域レベルでの人材の残留」という特徴がみられるという。
たとえば北京市の場合、北京大学の学部卒業生の北京残留率は2013年には72%だったが、19年は16%に低下した。清華大学の修士課程修了者の北京残留率は13年の56%から20年には40%に低下し、中央財経大学の学部卒業生の北京残留率は19年の42%から33%に低下した。
上海市ではここ数年、大学卒業生で長江デルタ地域での就職を希望する人が増えている。
BOSS直聘研究院の常濛院長は、「地域経済が徐々に発展するのに伴い、北京・天津・河北地域と長江デルタ地域は『地域レベルでの人材の残留』を基本的に実現し、2つの都市を往復する『双城族』が数多く生まれた」と述べた。北京-天津都市間鉄道が運行をスタートしてから12年がたち、運行本数は当初の47本から現在は100本以上に増え、天津市武清区などが「双城族」の多く集まる地域になっている。
上海市嘉定区安亭鎮がまとめた統計によると、江蘇省昆山支花橋の自宅から安亭鎮の職場に出勤する「双城族」は7千人を超えた。
浙江省杭州市人的資源・社会保障局卒業生雇用サービス処の祝国群処長の説明では、「データ統計によると、浙江省出身の大学卒業生で同省杭州市に来て就職する人が年々増加しており、受け入れた人数は18年は5万3千人、19年は7万1千人で、20年はまだ数字が出ていないが、おそらく引き続き増加しただろうとみられる」という。
注目されるのは、上海市がこのほど発表したデータだ。同市は20年に人材を誘致し活用する環境がさらに最適化し、通年で誘致した中国内外の各種人材は11万3635人に達し、前年同期比26.7%増加した。このうち現地定住の手続きを行った人は5万3481人で同40.8%増加した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年2月22日