「ダブルワーク青年(両棲青年)」とは、本業以外にも副業をもつ若者層を指す。今や、新職業の登場により、若者が個人として発展する可能性が広がった。ここ2年間には、より多くの若者が「ダブルワーク青年」の仲間に加わり、「ダブル」の規模がどんどん拡大し、「ダブルワーク」は若者の間では当たり前の現象になった。「中国青年報」が伝えた。
中国青年報社会調査センターはこのほど18-35歳の若者1945人を対象に合同アンケート調査を行い、その結果、回答者の30.3%が「自分は『ダブルワーク青年』」と答え、61.4%が「ダブルワークについて考えている、計画中」と答え、両者を合わせると91.7%に達した。
広東省で会計の仕事をする王楠さん(仮名)は、「自分の周りにいる友達で複数の肩書きをもつ人は多い。本業の仕事の合間に、書店やミルクティ店を経営する人や、退社後の夜に順風車(ライドシェアサービス)の運転手をする人がいる」と話した。
働き始めてから2年になる胡夏さん(仮名)も微商(微信<WeChat>を利用して販売や宣伝を行う電子商取引)という副業をもつ「ダブルワーク青年」だ。大学時代、空いている時間に微商を始めて小遣い稼ぎをするようになった。最初は衣類を売るだけだったが、徐々にリピーターが増え、独自のルートも構築し、取扱商品がどんどん豊富になり、今ではフェイスマスク、靴、カバン、日用品なども扱っている。就職しても微商を続け、さらに自分のネット店舗を運営するまでになった。
上海の証券会社で働く曹宇さん(仮名)は、「現在、『ダブルワーク青年』はかなり大きな層になっていると感じる。『ダブルワーク青年』には高等教育を受けてきた若者が多く、副業も知識や技能が必要とされる分野に多く集中する。たとえばキャリアガイダンス、面接指導、トレーニングなどだ。自分自身は副業をするつもりはない。本業の仕事がかなり大変で、今は本業に力を集中して結果を出したいし、本業の方で昇進を目指したいからだ」と話した。
回答した若者の69.6%が「周りに『ダブルワーク青年』が増えたと感じる」と答え、「非常に増えたと感じる」も13.8%いた。
また回答者の30.3%が「自分は『ダブルワーク青年』だ」と回答、61.4%が「ダブルワークについて考えている、計画中」と答え、合わせて91.7%に達した。「『ダブルワーク青年』になる予定はない」は8.3%にとどまった。こうした数字を比較分析したところ、「ダブル青年」が最も多いのは二線都市で、次は一線都市だった。
「ダブルワーク青年」は主にどんな職業に集中するか。調査によると、微商・代理購入が65.2%で最多、次は快車(個人所有の車を利用した配車サービス)・順風車の運転手が56.6%、ネットの個人メディアが45.9%となっている。このほか、ネット評価の達人や有料コンサルタントなどの新職業が37.2%、家庭教師が35.1%だった。
中国人民大学労働人事学院の院長を務める楊偉国教授は、「『ダブルワーク』青年の中には、仕事を探している人もいれば、一種の過渡期として行っている人、職業の多様化を目指す人もいて、豊富で多彩な体験が可能だ。今後、人々の収入源が多様化し、さまざまな機関や時間帯に分散するようになれば、『職業』という概念自体がなくなる可能性もある。多くの職業をもったからといって、スキルを向上させられない、十分な体験ができない、生活リズムが乱れるということはない。『ダブルワーク』は新しい働き方であり、市場の新しい局面だといえる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月5日