阿里巴巴(アリババ)傘下の医療関連ネットサービスを手がける「阿里健康(アリヘルス)」がまとめたデータによると、ここ数年、女性の健康に関わる消費支出が年々増加し、年平均増加率は20%に達し、2019年の総支出は男性を38%上回り、20年は男女の格差がさらに開いて63%に達した。ここから、女性が今や健康関連消費の絶対的な中心になったことがわかる。「広州日報」が伝えた。
全体的には、昨今の「女性パワー」や「女性経済」の台頭にともない、女性たちが社会の各分野で注目を集めると同時に、自分自身の体により関心をもつようになり、女性は今や名実ともに健康関連消費の絶対的な中心になった。女性は生理関連の支出から、妊娠出産のための支出、日常的なヘルスケアのための支出まで、絶えず新たな健康スタイルを模索し、美を追い求めるうえでもますます健康志向になっている。
生理・避妊関連のコスト:女性の8割近くが避妊薬を購入
阿里健康がまとめた「女性の健康関連消費データ報告」によれば、生理中の女性は、温熱シートやイブプロフェンの入った鎮痛薬のお世話になる人が多い。2020年の温熱シート購入者は19年に比べて77%増加し、イブプロフェン入り鎮痛薬購入者の7割は女性だった。
興味深いのは、女性が避妊薬を選ぶ時もますます科学的になり、自分をより大事にするようになったことだ。データをみると、女性の多くが副作用の少ない、効果が短期的な避妊薬を選び、20年の売り上げは緊急避妊薬の1.5倍だった。このほか、すべての避妊薬のうち8割近くを女性が購入していた。また、女性の更年期の健康管理も徐々に重視されるようになり、特に更年期障害用薬の20年の売上と購入者は、どちらも前年に比べて倍増した。
同時に、「見た目経済」に牽引されて、美容ドリンク市場が女性消費者の注目を集め、非常に大きな発展のポテンシャルを示している。同報告によれば、美容ドリンク製品の20年の売り上げは前年比で100%増加したという。
妊娠出産のコスト:出産に備える女性の増加率鈍化 ママは産後の回復に関心
全国政治協商会議委員がこのほど全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)で「妊娠出産コストを社会保障に全面的に組み込む提言」が注目を集めており、ここから女性の妊娠出産コストが徐々に社会に注目されるようになったことがわかる。女性の妊娠出産にまつわる消費支出は、二極分化の傾向が明らかだ。現代女性の仕事と生活のストレスの増大と未婚シングル層の増加にともなって、出産に備える女性の増加率が鈍化している。データによれば、葉酸と排卵検査薬の購入者はここ2年間は目立った増加はなく、19年と20年の増加率は3%に満たなかった。
その一方で、産後のママ市場の変化は大きい。健康意識の高まりで、産後の女性たちは産後の回復に注目するようになり、子どもがいても美しくあろうとするようになった。産後の回復を助けるケア機器の場合、年間販売量は20年は前年比で350%増加し、購入者も同460%増加した。
90後と南方の女性はHPVワクチンを積極的に接種
女性は年齢層や地域により、ヘルスケア製品に対する嗜好も異なる。
データによると、00後(2000年代生まれ)は美に対する関心が高く、特にカラーコンタクト、食事代替品・酵素への関心が高い。90後(1990年代生まれ)は健康管理の観念に目覚め、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を防ぐワクチンを積極的に接種し、医療用フェイスマスクや女性のためのプロバイオティクスを大いに好む。80後(1980年代生まれ)は美しくなることとアンチエイジングへの関心が高い。
女性の注目点は地域によっても異なる。北方の女性は美しさの管理に熱心で、燕の巣、酵素、脂肪燃焼薬をよく購入する。一方、南方の女性は健康管理への関心が高く、健診コースやHPVワクチンの接種予約、日焼け後のケアシートなどをよくネット通販の「買い物カート」に入れている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月9日