米Infonetics Researchは,2004年第2四半期における光ネットワーク装置の世界市場に関する調査結果を米国時間8月27日に発表した。それによると,同市場の売上高は前期比3%成長したという。
「PON(Passive Optical Network)方式の加入者収容装置(OLT)は急速な成長を続ける。米VerizonやNTTなどの大口導入が追い風となり,2004年の売上高が前年比85%増加する見込み」(Infonetics Research社)
調査は,SONET/SDH,CWDM/DWDM,PON方式のハードウエアに関して,北米,欧州/中東/アフリカ(EMEA),アジア太平洋,カリブ海地域および中南米(CALA)市場の予測分析を行ったもの。
都市型の光ハードウエアは,光ネットワーク装置の売上高全体の約4分の3近くを占めるが,長距離型は引き続き減少している。都市型ハードウエアの成長を後押しする主な要因は,企業のネットワーク・トラフィックやストレージ・ネットワーキング,消費者向けブロードバンド,サービス・プロバイダの無線ネットワーク向けバックホールなどだ。
Infonetics Research社主席アナリストのMichael Howard氏は「都市型WDM(波長分割多重)の世界売上高は2004年第2四半期に前期比9%増加しており,2007年まで堅調な伸びをみせる」と述べている。「PONの中心となるのはアジアだ。NTT西日本はBPON(Broadband Passive Optical Network)の展開を進めており,2003年と2004年に数万人が,同社のAPON(ATM Passive Optical Network)あるいはEPON(Ethernet Plastic Optical Fiber)を導入している。NTT東日本と『Yahoo! Broadband』も今年中にEPONを開始する予定だ」(同氏)
その他の主な調査結果は以下のとおり。
・光ネットワーク装置の世界市場で,売上高ベースの首位はフランスのAlcatel,第2位はカナダのNortel Networks,第3位は中国のHuawei Technologies(華為技術)と富士通
・SONET/SDH技術を採用するハードウエアの売上高は,光ネットワーク装置の売上高の68%を占める
・インテリジェント・ハードウエアのシェア(売上高ベース)が87%に拡大し,レガシー・ハードウエアのシェアが縮小している
・光ネットワーク装置売上高の3分の1以上をEMEAで創出している。アジア太平洋および北米はそれぞれ3分の1以下,残りがCALA |