三菱自動車が、仏自動車大手のプジョー・シトロエングループ(PSA)と進めている提携交渉を資本面にまで拡大し、包括提携を目指していることが13日明らかになった。三菱自は欠陥車問題で国内販売が低迷し、海外販売も伸びていない。打開策としてPSAへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給や生産協力を目指し、さらにPSAに一部出資を求めることも検討している。
三菱自はこれまで、ミニバンやスポーツ用多目的車(SUV)をPSAの販売網で売る交渉を進めてきたほか、北米では三菱自のイリノイ工場での生産提携も検討してきた。5月に公表した再建計画を12月中旬に見直す予定で、それまでにPSAとの交渉を前進させたい考えだが、出資の要請に対し、PSAが応じるか否かは不透明だ。
三菱自の筆頭株主は独ダイムラークライスラーだったが、今年4月にダイムラーが三菱自への追加支援を拒否。その後、三菱グループなどが総額4960億円の増資を引き受けたため、ダイムラーの出資比率は約20%程度に低下、三菱自との関係は疎遠になっている。
PSAはプジョーとシトロエンの2ブランドを持ち、03年の世界販売は約330万台。欧州では独フォルクスワーゲンに次ぐシェアだが、米国には生産・販売拠点がない。三菱自とは99年1月、三菱自のガソリン直噴エンジン「GDI」の技術供与を受ける契約を締結した実績がある。
(11/13 22:26)