4年前の雪辱を期した世界の舞台で、ゴールはまたも遠かった。王者として臨んだ前回大会で1次リーグ3試合無得点のまま敗退したフランスが、スイスと0-0の引き分け。ドメネク監督は「チャンスの数を見れば、それほど悪い試合ではなかった」と話したが、これでW杯は4試合連続ゴールなしとなった。
スイスとは欧州予選も同じ組で2引き分け。スター選手が並ぶ豪華な布陣は、ボール回しでは圧倒した。しかし、エースのアンリらがきっちり決めきれない欲求不満の募る内容に、同監督は「スイスと引き分けるのはもはや習慣のようだ」と自嘲(じちょう)気味だった。
中盤で華麗なボールさばきを見せた司令塔のジダンは、今大会後の現役引退を表明している。決意を示すように積極的に動いたが、終盤はさすがに疲れたのかミスが増えた。試合終了の笛を聞くと厳しい表情で真っ先にピッチを後にし、報道陣にも口を開かなかった。
後半25分に選手交代でプレーが中断すると、ジダンとチュラム、ガラスの両DFがピッチで激しく口論する場面も。ドメネク監督は「意見を言い合うのは無視するより良いことだ」と楽観視したが、チームの歯車はかみ合っていない。
次は18日の韓国戦。「2戦目が大事になった」という指揮官の言葉を聞くまでもなく、元王者が正念場を迎えた。(共同)
毎日新聞 2006年6月14日 9時38分 (最終更新時間 6月14日 9時49分)