【ベルリン斎藤義彦】サッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ組織委は、18日にニュルンベルクのフランケン競技場で行われた日本対クロアチア戦で、ピッチへのファンの乱入を阻止するため、ピッチ周辺に約120人の警備員を二重に配置するなど警備を強化した。13日のブラジル・クロアチア戦で乱入者が初めて出たため。組織委は乱入者に対し、最低1000ユーロ(約14万5000円)の「管理コスト」を請求、乱入を防止する構えだ。
日本対クロアチア戦では、蛍光色のチョッキを着た警備員がピッチの周囲や入り口付近に配置されたほか、警察官もスタンド内を巡回した。
荷物検査も厳重に行われ、ゲートの前には1時間以上も長蛇の列ができた。カサやガススプレーなどが、警備員の指示で一時預かりにされた。
13日、ベルリンの五輪競技場で行われたブラジル対クロアチア戦では、ピッチ周辺に約100人の警備員がいたにもかかわらず、男性(20)が警備員を殴ったうえ、マラソンゲートから乱入。ピッチでクロアチアのダド・プルショに抱きつき、靴にキスした。
男性は略式起訴され、14日に傷害などの罪で120ユーロ(約1万7400)の罰金命令が出された。これに加え、W杯ドイツ組織委は、乱入者対策の「管理コスト」として最低1000ユーロ(約14万5000円)を乱入者に請求する予定。他に民事訴訟も検討している。
乱入では14日、ミュンヘンW杯競技場で行われたチュニジア対サウジアラビア戦で男性(19)が、ピッチに乱入しようとしたが、警備員に阻止されている。
毎日新聞 2006年6月19日 8時46分