○ヤクルト4ー3阪神●
ヤクルトが再び貯金を1とした。同点の六回、連続四球などで1死二、三塁とし、米野の右前適時打で勝ち越し。七回にも青木の適時二塁打で差を広げ、継投で逃げ切った。阪神は毎回走者を出しながら12残塁の拙攻。継投策も裏目に出た。
▽ヤクルト・古田監督 ペナントレースは6~7割が接戦。こういう試合をいかに勝てるかですよ。
◇投打ともに後味が悪い敗戦…阪神
この日、阪神打線が放った安打は14本。7試合ぶりの二けた安打だが、打てばいいというものではない。打っても打っても点が入らなければ、ストレスは2倍、3倍だ。
何しろ八回を除き毎回安打。9回のうち7回は先頭打者が塁に出た。しかし得点はわずか3。「ランナーがいない時と、二塁や三塁におる時と打ち方が違い過ぎるやろ」と岡田監督。重圧か?と問われると「知らんわ! 選手に聞いてくれ。腹据えてドッシリと打つしかないやん」とイラ立ちを隠せない。責任者の正田、和田両打撃コーチに至っては「何もない」(正田)「……(無言)」(和田)と、まさに言葉もない有り様だ。
さらに投手交代でも致命的な失敗を犯した。六回から2番手・江草をマウンドに送ったが、いきなり連続四球を与える乱調で1死二、三塁のピンチを招き、米野に決勝適時打を浴びたのだ。
先頭のラミレス以下、右打者が6人続く場面で、なぜ左腕の江草を?との疑問に、中西投手コーチは「相性が良かったから」と答えた。確かに江草は対ヤクルト戦に過去3試合登板して2勝、防御率は1点台。しかし、うち2試合は、まだ江草が好調で先発ローテーションにいた春先の登板だ。疑問の残る起用と言われても仕方がない。
投打ともに後味が悪い敗戦で首位・中日とのゲーム差は「3」に広がった。「久しぶりにこんなにヒットが出とんのにな。悔いが残るよ」と岡田監督。去り際に「フハッ」と力のないため息がもれた。【神保忠弘】
○…ヤクルト・ゴンザレスが粘り勝ち。七回限りで降板するまで、毎回のように得点圏に走者を背負いながらも、2失点のみで乗り切った。ゴンザレスは「バックがよく守ってくれたから粘ることができた」と野手に感謝。ガトームソンとの併用のため、どうしても登板機会が少なくなるが、伊東ヘッド兼投手コーチは「ゴンちゃん(ゴンザレス)は登板に飢えているからね」とハングリー精神の効果を強調していた。
毎日新聞 2006年7月9日 18時59分