試合後、円陣を作り、観客席に一礼する台湾プロ選抜の選手ら=諫山卓弥撮影
2月28日にヤフオクドームで行われた野球の日本代表「侍ジャパン」対台湾プロ選抜の壮行試合で、日本球界に衝撃を与えた選手がいる。台湾プロ選抜の3番打者・王柏融。逆転2ランを含む3打数3安打3打点と大暴れした。
侍ジャパン、台湾選抜に敗れる WBC壮行試合
特集:2017WBC
1点を追う三回だった。則本の甘く入ったスライダーを逃さない。左打席からフルスイングで放たれた打球はバックスクリーンへ吸い込まれた。「日本の投手は直球がすごく伸びるし、変化球も鋭い。まさかホームランを打てるなんてびっくり」。第1打席は、鋭いあたりの先制犠飛。五回は左前、八回は右翼線への二塁打と広角に打ち分けた。
台湾リーグのラミゴ所属の23歳で、昨季は台湾球界で史上初の200安打を達成。打率は驚異の4割1分4厘を記録した。敬意を込めて、周囲からは「大王」と呼ばれているという。
今回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の台湾代表には選ばれなかったが、この壮行試合に向けて調整してきた。動画サイト「ユーチューブ」を何度も見て、日本の投手をチェック済み。「日本代表に勝ててうれしい。1日の試合も活躍したい」。夢は大リーガーだという。(山口裕起)