パロマ工業製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故が相次いだ問題で、パロマの小林弘明社長とパロマ工業の小林敏宏社長(パロマ会長)は31日、愛知県清須市で記者会見した。敏宏社長は、製品の回収・点検、在庫コストの増大などで、損失が200億円以上になるとの見通しを示した。また、従業員の人員削減も必要になるとみられ、同問題はパロマの経営に大きな影響を与えることになりそうだ。
パロマグループは非上場で、決算を公表していない。パロマによると、グループの05年度連結決算の売上高は2413億円。経常利益は不明だが、敏宏社長は「少し黒字という程度」と語った。
06年度については、国内の連結で、30億~40億円程度の経常利益を見込んでいたが、同問題が起きたことで、敏宏社長は「消費者への通知、商品の交換、点検とかそういう費用を累積すると200億円を超える金額になる」と語った。点検などにあたったガス事業者からの請求もあるとみられ、「200億円では済まないかもしれない」(弘明社長)という状況だ。
同社の純資産額は明らかになっておらず、200億円という巨額の費用が経営にどう影響するかも不明だが、弘明社長は「現段階では何とかなるとだけ回答させてください」と語った。
また、国内の約3000人の従業員について、敏宏社長は「仕事がなくなる。残念ながら一部の人には辞めていただくことになる」と述べた。
【高塚保】
毎日新聞 2006年7月31日