女児が吸い込まれた吸水口付近を調べる捜査員たち=埼玉県ふじみ野市で1日午前10時4分、川田雅浩写す
埼玉県ふじみ野市大井武蔵野の市営ふじみ野市大井プールで、同県所沢市山口、会社員、戸丸勝博さん(45)の長女瑛梨香ちゃん(7)=同市立小手指小2年=が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、管理責任者の自治体による点検が、合併により昨年までの毎日から2日に1度に減っていたことが分かった。直近の点検は7月28日に行われたが異常なかったという。【山崎征克、小泉大士】
県警捜査1課と東入間署は1日朝、関係者を立ち会わせて現場の実況見分を始めた。プールの設備や管理、事故当時の対応に問題がなかったかなどを調べ、業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聴いている。
ふじみ野市は昨年10月、旧上福岡市(人口約5万6000人)と旧大井町(同4万8000人)が合併して誕生した。事故のあったプールは合併前は旧大井町の町民プールとして使われており、当時は職員が毎日点検していたという。合併後は2日に1回になり、事故前は7月29、30日が土日曜だったため、直近の点検は同28日だった。同市は点検が減った理由を「合併で管理施設が倍増し、職員の手が回らなくなった」と説明した。
同プールでは現在、50分遊泳した後10分の休憩時間を設定。その間に監視員などが施設に異常がないか確認しているが、事故前の31日午後0時50分から午後1時までの点検では、瑛梨香ちゃんが吸い込まれた吸水口の異常には気付かなかったという。
このプールは起流ポンプで、吸水口から水を毎分10トンの水を吸い込み、排水することで水の流れを作っている。瑛梨香ちゃんは、吸水口から吸い込まれ約12メートル先の起流ポンプの手前の直径約30センチの管にはさまっていた。事故当時は監視員が15人いたが、ほとんどは高校生のアルバイトだった。