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プール事故:「不備」2339カ所に 文科省全国調査

埼玉県ふじみ野市の市営プールで小学2年の女児(7)が死亡した事故を受け、文部科学省は10日、全国の公立学校や公営プールを対象にした緊急調査の最終結果を公表した。吸排水口のふたが固定されていないプールが40都道府県375カ所、吸排水管内の吸い込み防止金具が設置されていないプールが39都道府県1964カ所で、不備のあるプールは延べ2339カ所に上った。プールにいずれの不備もなかったのは、山形、長野、福井、大分、沖縄の5県だけだった。

 公立学校のプール3万127カ所と、教育委員会が所管する公営プール2824カ所を対象に調べた。7日の発表時点から、ふたの未固定が70カ所、金具の未設置が368カ所の計438カ所増えた。

 各都道府県教委からの報告数に変更があったのが原因で、同省によると、当初はふたの未固定、金具の未設置ともにゼロと回答しながら、今回は不備が119カ所に増えた福島県からは「集計ミスがあり訂正したい」と連絡があった。県教委が点検指示の中で「吸い込み防止金具」を「給排水口のふたや金網」としたため、金網状のふたがあれば適正と勘違いした自治体があったという。

 他にも「市町教委などが『修理する』と回答した不備を『問題ない』とみなし、当初カウントしなかった」(兵庫県)▽「最初の調査がずさんだったり、調査中のプールをカウントしていなかった」(東京都)▽「北九州市の数を後に加算した」(福岡県)▽「調査結果の間違いが判明したり、大津市分を後に加えた」(滋賀県)などの理由で大幅に数が増えた。一方、山口県は「不明分をカウントしていた」ため数が減った。同省は「プールの安全のため調査のスピードを優先し、事務的に無理なお願いをしたのでやむを得ない」としている。

 同省はふたの固定と金具設置を二重の安全対策として都道府県教委に通知で実施を求めてきた。しかし、7日の発表をさらに上回る不備が判明したことに対し「大変残念。不備がゼロになるまで改善状況を確認していきたい」としている。

 同省は国私立の学校、教委所管外の公営プールについては、18日までの報告を求めている。【長尾真輔】

毎日新聞 2006年8月10日

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