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レバノン情勢:イタリアが第1陣派遣 各国とも派遣表明

【ローマ海保真人】国連レバノン暫定軍(UNIFIL)増派のため、イタリアは29日、地上部隊約1000人を含む総兵員2496人の第1陣をレバノンへ向けて派遣した。最大陣容となるイタリアが派遣を始めたことで、イスラエルとイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの戦闘を回避するための新生暫定軍の活動が本格化する。他国も28日、国連に対し、改めて兵員提供を正式に申し出た。

 イタリアの第1陣は29日朝、同国南部のブリンディシ港などから5隻の戦艦に分乗し出航した。9月1日朝にレバノンのティール港に到着する。地上部隊はティールを中心としたリタニ川以南に展開。他の約1500人は艦隊に残り、海上警備や後方支援を行う。

 第1陣の任期は10月末までで、以後の第2陣は地上部隊員を2450人にまで引き上げる。同国がレバノンの平和維持活動と人道支援に支出する総額は、12月末までで計約2億2000万ユーロ(約330億円)。中には兵員がアラビア語を研修するための費用も含まれるという。

 ダレーマ外相によると、レバノン政府からは難民のための医療業務や、道路や橋の再建工事などへの貢献も求められている。パリシ国防相は「長期で、危険で、費用のかかる困難な任務となる」と語っている。

 一方、28日にニューヨークの国連本部で開かれた派遣国会合では、フランスが10月末までに1600人を派遣することを確約したのをはじめ、ポーランドが500人、ベルギーが300~400人の派遣を正式提示。またアンカラからの報道によると、トルコ政府も同日の閣議で、派兵する方針を決めた。

 これまでに派遣を約束した国は32カ国。国連が目標とする1万5000人にはまだ達していないものの、9月2日までに3500人の地上部隊員を確保できる見通しとなった。国連のアナビ事務次長補(平和維持活動担当)は「各国の申し出をもとに、展開部隊を組織化し、迅速に進めることができる」と話している。

毎日新聞 2006年8月29日

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