米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、連邦公開市場委員会(FOMC)の2日目会合を開き、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年5.25%に据え置くことを賛成多数で決めた。不透明さが残る景気と物価の先行きを見極めるためで、据え置きは3回連続。
金融市場は今回の決定をほぼ織り込んでいた。FRBは経済動向次第で利上げを再開する姿勢を崩していないが、当面は据え置きが続くとの見方が優勢だ。
会合終了後の声明は、成長が鈍化した経済の現状に言及した上で「今後は穏やかなペースで拡大していくとみられる」と明るい見通しを示し、景気後退に陥る可能性を退けた。懸念される物価動向については「インフレリスクがまだ残っている」と前回表現を踏襲、警戒態勢を緩めなかった。
米経済は4-6月期に実質成長率が2.6%へ急減速、7-9月期も2%前後の低成長が続いたもよう。ただ原油相場の落ち着きを背景に景気が「軟着陸」するとの期待が台頭、金融市場では一時の早期利下げ観測が影を潜めている。
今回の会合では、政策運営の透明性を増す手段として「インフレ目標」も議論されたとみられるが、声明はこの点に触れていない。
投票権を持つ11人のうち、リッチモンド連銀のラッカー総裁だけが前回、前々回に続き0.25%の利上げを主張した。(ワシントン共同)
毎日新聞 2006年10月26日